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不倫慰謝料請求の解決までの流れ
1 はじめに
不倫慰謝料を請求する側と、請求される側とで、それぞれご説明します。
2 不倫慰謝料を請求する側の場合

大まかな流れは以下の通りです。

⑴ 証拠収集
交渉や裁判を有利に進めるには、証拠が重要になります。
証拠が隠滅されないよう、不倫慰謝料を請求する前に証拠集めをしましょう。
不倫をしたという証拠としては、例えば次のようなものが考えられます。
・肉体関係があることが分かるメールのスクリーンショット、写真、動画
・ラブホテルに出入りする写真
・不倫を自白する言動の録音、書面
⑵ 不倫相手の氏名と住所の調査
不倫相手の氏名と住所が不明ですと、不倫の慰謝料請求が難しくなります
そのため、不倫相手の氏名と住所の調査も重要です。
配偶者に聞いたり、探偵を使って調査を試みるという方法もあります。
電話番号だけ分かっているといった場合は、最終手段として、交渉の中でうまく聞き出すといった方法もあります。
なお、弁護士に不貞慰謝料請求を依頼した場合は、弁護士が、相手の電話番号等から、相手の氏名や住所を一定の団体に照会することができます(23条照会。なお、23条照会をしても、不倫相手の氏名・住所が判明しない場合もあります。)。
23条照会は弁護士に認められた権限ですので、一般の方は利用することはできません。
⑶ 相場の調査
不倫慰謝料の相場はいくらなのか調査しておくと、交渉をスムーズに進めやすくなります。
⑷ 交渉
証拠収集や調査が終わったら、交渉をします。
例えば、相手に以下のようなことを要求します。
「不倫慰謝料として●●万円を支払ってください。」
「夫(妻)との交際を直ちにやめてください。」
「夫(妻)には、あなたが払った分の慰謝料の負担(求償)を求めないでください。」
交渉の方法は、書面か電話で行われることが多いです。
書面の場合は、内容証明郵便で送ると、相手にプレッシャーを与えやすくなります。
ただし、書面で交渉する場合は、相手に準備をする時間を与えてしまう等のデメリットもあります。
電話ですと、柔軟に話を進めることができますが、発言ミスなどをする危険性もありますので注意が必要です。
感情的になると、交渉が決裂したり、脅したとして不倫慰謝料の減額事由になってしまう場合もあるので注意しましょう。
感情的な交渉を避けるために、弁護士に依頼するという方法もあります。
⑸ 和解
和解する際は、きちんと証拠として残すために、合意書を交わします。
(ア) 注意点
不適切な合意書を作成してしまうと、思わぬ不利益を被る可能性がありますので注意しましょう。
なお、合意書をAIに作ってもらう、ネット上の合意書のひな型を利用するといった方法もありますが、知識なくこの方法に頼ると、不適切な合意書を作成してしまう危険性があります。
人に個性があるように事件にも個性があります。
そのため、これに応じて合意書の内容も変わってくるのです。
弁護士も、合意書を作成するときは毎回細心の注意を払います。
(イ) 公正証書
合意書を作成後、さらに公正証書を作成するという方法もあります。
この場合、不倫慰謝料の支払いについて「強制執行認諾文言(きょうせいしっこうにんだくもんごん)」を入れておけば、相手が不倫慰謝料の支払いを怠った場合に、裁判せずに、強制執行手続をして、財産の差押えをすることができます。
(ただし、財産の在処が不明の場合などは強制執行が失敗に終わることもあります。)
公正証書は「公証役場」で作成します。
事前に合意書を公証役場に提出しておくと手続きがスムーズに進みます。
提出後、公証役場からの連絡がきて、公正証書案の修正が必要となる場合もあります。
また、公正証書作成には一定の費用がかかります。
誰がいくら費用を負担するのか事前に決めておきましょう。
公正証書を作成する当日は、合意を交わした当事者双方または代理人の出頭が必要となります。
⑹ 裁判
交渉が決裂した場合、不倫慰謝料請求を終了にするか、裁判をするか決めます。
裁判をする場合は、交渉よりも、専門的な知識が必要となります。
なお、裁判の途中で、和解することも可能です。
最後まで裁判が進むと判決が出ます。
3 不倫慰謝料を請求される側の場合
大まかな流れは以下の通りです。

⑴ 交渉
次の交渉までに、あなたのケースでは不倫慰謝料の相場はいくらなのか調べておきましょう。
その上で、
「不倫慰謝料は支払えない。」
「不倫慰謝料を〇〇円に減額してほしい。」
「不倫慰謝料〇〇円を、月●万円×●回の分割払いにしてほしい。」
といった交渉します。
相手が激しく怒っていることも少なくなく、交渉には大きなストレスが伴いがちです。
また、言い方ひとつで、かえって状況が悪化するということもありますので注意しましょう。
⑵ 和解
交渉の結果、話の折り合いがつけば、合意書を交わして和解することになります。
合意書を作成する際は、細心の注意を払わないと、思わぬ不利益を被ることがあります。
相手が作ってきた合意書案の場合は、合意書の隅々まで慎重に検討することが大切です。
⑶ 交渉が決裂した場合
交渉が決裂した場合は、基本的には相手の次の行動を待ちます。
相手が裁判をする場合もあれば、いくら待っても相手が何の行動も起こしてこない場合もあります。
相手が行動を起こしてこない場合は、下手に相手を刺激しないよう、事態を静観することも多いです。
他方で、白黒はっきりさせようと、不倫慰謝料を請求された側が債務不存在確認の訴訟を起こすケースもあります。
⑷ 裁判
相手が裁判をしてきた場合は、裁判の書類を作ったり、出廷したりして、こちらの言い分を主張します。
裁判の中で和解をすることもあります。
最後まで裁判が進むと判決が出ます。
不倫慰謝料の支払いを命じる判決が出た場合、それに従った支払いをしないと強制執行をされるおそれがあります。
どうしても一括では払えない場合は、分割払いを求めて相手と裁判外で交渉することになります。
ただし、裁判をするのに相手も相応の負担をしてきているので、分割払いの交渉は難航することが多いです。

不倫発覚後の慰謝料請求で気を付けるべきこと
1 慰謝料を請求する場合

配偶者の不倫が発覚して、不貞相手や配偶者に慰謝料を請求しようと考えた場合、どのような点に気を付けたらよいでしょうか。
⑴ 不法行為が成立するか
不倫の慰謝料請求は、民法709条が定める「不法行為に基づく損害賠償請求権」を法的な根拠として行います。
ですから、民法上の「不法行為」の成立要件を満たしている必要があります。
以下で、注意すべき要素について具体的にみていきましょう。
⑵ 不貞行為があること
不倫の慰謝料請求が認められるためには、「不貞行為」があったことが必要です。
「不貞行為」とは、配偶者以外の人と自由な意思において性的関係を持つことを意味します。
ここでいう性的関係とは、一般的には肉体関係(性交渉)を指しますので、たとえば、プラトニックな関係だった、キスやハグしかなかったという場合には不倫の慰謝料請求は難しくなります。
⑶ 権利または法律上保護される利益の侵害があること
不貞行為により侵害される法律上の権利・利益は、「婚姻共同生活の平和の 維持という権利又は法的保護に値する利益」とされています。
ですので、慰謝料請求が認められるためには、不貞行為によって、婚姻生活の平穏が害されたといえる必要があります。
不倫をされた時点ですでに婚姻生活が破綻していた場合(離婚に向けて別居していた等)には、権利・利益の侵害がないことになり、慰謝料請求は認められないといえます。
⑷ 故意または過失
不貞相手に慰謝料請求をする場合は、不貞相手が慰謝料請求者の配偶者について「既婚者であると知っていた」あるいは「既婚者であると知りえたのに不注意で知らなかった」といえなければなりません。
ですので、たとえば配偶者と不貞相手が婚活アプリで知り合い、配偶者が未婚だと嘘をついていたというような場合は、不貞相手への慰謝料請求が認められない可能性が高くなります。
⑸ 証拠があるか
不貞行為があったとしても、その証拠がないと不貞慰謝料の請求が難しくなる可能性があります。
証拠がないと、相手方に不貞行為の事実を否定されてしまったら、それ以上請求していくことが困難です。
ですから、不倫が発覚したとしても、すぐに慰謝料請求の行動に出るのではなく、証拠集め等準備を整えてから進めていくのがよいでしょう。
⑹ 消滅時効
不貞の慰謝料請求には消滅時効がありますので、時効期間の経過に注意する必要があります。
2 慰謝料を請求された場合
では、不倫が発覚し、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求された場合は、どのような点に気を付けたらよいでしょうか。
⑴ 無視しない
もし、実際には不貞行為がない等で不倫の慰謝料請求が認められない可能性が高い場合でも、慰謝料請求された場合にこれを無視するのは危険です。
無視した場合、相手方がいきなり次の手段として裁判を起こしてくるかもしれません。
ですから、不貞行為がないことの説明をする等、何らかの対応をすべきでしょう。
⑵ 慰謝料を支払う必要があるのか確認する
不倫の慰謝料を請求されても、支払う必要があるとは限りません。
たとえば、以下のような場合は、慰謝料の支払いをしないで済む可能性があります。
・肉体関係がない
・不倫をする前から相手方夫婦の婚姻関係が破綻していた
・不倫相手が既婚者だと知らず、知らなかったことについて過失もない
・自分の意志ではなく無理やり性交渉された
・すでに時効期間が経過している
⑶ 請求された金額が妥当か検討する
不貞行為が事実であり、慰謝料を支払う必要がある場合でも、請求された慰謝料の金額が妥当かどうかについては別途検討が必要です。
不倫の慰謝料の金額は個別の事情に応じて異なりますが、請求された金額が相場を大きく上回るような場合は、減額交渉できる余地があります。
請求された金額が妥当なのかどうかは、一度弁護士に相談してみるとよいでしょう。

不倫の慰謝料請求を弁護士に依頼するとどのようなことをしてくれるのか
1 不倫慰謝料請求の準備~内容証明郵便送付

不倫慰謝料を請求する側(不倫をされた配偶者)が弁護士に依頼をすると、弁護士はまず具体的な状況をヒアリングしたうえで、不倫慰謝料請求の準備を開始します。
具体的には、まず不倫慰謝料の発生原因である不貞行為の存在を裏付けるために必要な証拠集めを行います。
証拠は、不倫をされた配偶者の方がお持ちの資料等の中から選別するほか、弁護士が独自に収集するものもあります。
準備が整いましたら、弁護士から不倫をした配偶者または不倫相手に対し、不倫慰謝料を請求する旨を記載した配達証明付内容証明郵便を送付します。
2 内容証明郵便送付~話し合い・交渉
⑴ 不倫慰謝料を請求された側(不倫をした配偶者または不倫相手)
不倫慰謝料を請求する旨が記載された内容証明郵便が手元に届く等、慰謝料を請求された方が弁護士に依頼した場合、請求内容を弁護士が精査し、対応を検討します。
例えば、不貞行為が存在していること自体は認めるが、夫婦関係が既に破綻しているのであれば慰謝料の支払い義務がない旨の回答をするというものが挙げられます。
支払いを免れることができない見通しである場合には、慰謝料の減額交渉を行うことがあります。
話し合いの結果、合意に至れた場合には、和解書に署名・押印をして慰謝料を支払います。
⑵ 不倫慰謝料を請求する側
不倫慰謝料を請求し、相手から反応があった場合は、その回答を弁護士が精査し、次の対応を検討します。
慰謝料を支払う旨の回答があり、その金額で合意できるようであれば、和解書を作成し、お互いが署名押印をしたうえで支払いを受けて終了となります。
慰謝料の減額を求められたり、支払い義務がない旨の回答があった場合には、調停や訴訟提起も視野に入れて再交渉を行います。
その結果、合意に至れない場合には調停または訴訟を提起することがあります。
3 調停・訴訟
⑴ 不倫慰謝料を請求された側(不倫をした配偶者または不倫相手)
調停を提起された場合には、弁護士が対応方針を検討したうえで、調停期日に同席します。
調停での話し合いの結果、合意に至れた場合には、調停調書の内容に従って慰謝料を支払って終了となります。
訴訟を提起された場合、弁護士が代理人となって、裁判所で反論等を行っていきます。
⑵ 不倫慰謝料を請求する側
収集した不貞行為の証拠等をもとに、弁護士が代理人となって裁判所に調停または訴訟を提起します。
調停の場合、裁判所において調停委員を介した話し合いが行われます。
話し合いの場には、弁護士が同席することができます。
相手側と合意に至れた場合には、合意内容を記した調停調書が作成され、慰謝料の支払いを受けて終了します。
訴訟の場合、弁護士が訴訟法に従って不倫慰謝料の支払いを求める旨を主張するとともに、証拠をもって不貞行為等の証明をします。
訴訟は、尋問等を除き、代理人弁護士だけが出廷することも多いです。
請求を認容する判決(勝訴判決)となった場合には、判決内容に従った支払いを受けて終了となります。
もし支払いを受けられない場合、相手に対して強制執行をすることもあります。

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不倫の慰謝料は弁護士にご相談を
慰謝料の金額は、明確な計算基準が決まっているわけではありません。
この場合はいくら払わなければいけないというルールが設けられているわけではないため、双方で話し合って合意をすれば、その金額がいくらでも原則として問題ないのですが、交渉が難航したり、交渉が決裂すると、裁判で決着をつけることになります。
裁判による不倫の慰謝料の金額は、過去の裁判例からある程度の相場があります。
法外に高額な慰謝料を請求したために裁判で争うことになり、結果として、解決までに時間を要し、期待したよりも低額の慰謝料となってしまうということも考えられます。
納得のいく慰謝料を獲得するためには、いくら請求するのか、どのように交渉を進めていくのかという点が重要になります。
相手がそもそも不貞行為があったことを認めないことも考えられますので、しっかりと証拠を揃えて、立証できるように準備をしておくということも大切です。
一方で、不倫の慰謝料を請求された場合は、その金額が妥当なのかを見極めることが大切ですし、誤った対応により不当な要求に応じることになってしまわないように、慎重な対応が求められます。
いずれの場合も、不倫の慰謝料に関する法律の知識が求められますので、池袋で不倫の慰謝料についてお悩みの方は、まずは一度、弁護士へご相談ください。









































